外国でも紅葉を美しい光景として写真にとったり散策したりしますし、カナダやアメリカでは大自然の規模が大きく日本人が見たら驚くような紅葉の光景も、あちこちで見られます。しかし、日本において平安時代ごろに貴族の間で広まり習慣となった紅葉狩り、わざわざ紅葉を見るための行事というのは日本独特でそのような習慣は海外にはありません。
一方、日本には自然を’愛でる’(めでる)という情緒のある言葉があります。秋の紅葉などはまさしくこの言葉がぴったりくるように思います。紅葉のある場所にわざわざ出向き、紅葉を’愛でる’。こういう感覚は日本人特有のものなのかもしれません。 (ここで一応、’愛でる’の意味を調べてみますと・・・
1 美しさを味わい感動する。「月を―・でる」 コトバンクより)
紅葉以外でも秋に鳴くコオロギやキリギリスなどの虫の声にも情緒を感じますよね。 月見(特に秋)で風流の心を味わうというのもあります。 中秋の名月は年中行事になっていますね。
それから桜の花見 。秋の紅葉と同じようなことですね。 夏の風鈴 の音。それからセミの鳴き声。 ヒグラシの声などでは心が落ち着き癒される感じがしますよね。外国ではセミの鳴き声はうるさい音としてしか聞こえないそうです。多くの西洋人は、虫の声を雑音としかとらえないようです。虫の声を聴いたときに情緒を感じるというのは日本人特有と言ってもよさそうです。
また年の初めの初日の出を、日本人は特別な感慨を持って見に行くことがあります。前日の大晦日にお酒をたくさん飲んだり、夜更かししていても元日の朝は5時、6時に起きて初日の出を見に行くという方も多いのではないでしょうか。ところが外国人にはこのような習慣はないそうです。
古来より、日本人は太陽を神様( 天照大神[あまてらすおおみかみ])として祈ってきました。長い間に培われた日本の習慣、風習というものでしょう。国旗は日の丸だし、お日様と太陽に対してさん付けをしたりします。
このように日本では文化として根づいている紅葉狩りですが、外国にはそういう風習がないため、この「紅葉狩り」という言葉は英語では上手く表現できないそうです。
メープルシロップももみじ(サトウカエデ)から採取される
サトウカエデは数多くあるカエデの一種で、メープルシロップが採れることで有名な木で、シロップの生産は世界の中でほとんどがカナダで行われています。
またサトウカエデは、メープルシロップを採取する以外に、葉の色が紅葉していくのを観賞して楽しむことができます。そしてサトウカエデの葉は、人の手のひらと同じように5つにわかれており、秋の終わりごろになると見事な紅葉を見せます。
ここで「もみじ」と「かえで」の違いを調べると、まず「もみじ」は「紅葉」と書き表され、本来は秋になると色が変わる葉の総称です。
そのもみじの中でも「かえで」が日本では最も多く、綺麗な赤色となります。だからみんなが見ているのは「かえで」ですけれども、それを大体「もみじ」と言っていることが多い。
次にその「かえで」の種類ですが日本でよく見かけるのはイロハカエデという「かえで」です。
イロハカエデはムクロジ科・カエデ属に分類され、英語で”Japanese Maple”(ジャパニーズ・メープル)といいます。この事実からも世界各国に何種類もあるメープルの中で、このイロハカエデが日本を代表するカエデだと認識されていることがうかがえます。 手の平みたいに5~7つに深く裂け、一つ一つの裂片には不規則なギザギザ模様があり、先が長くのびるという特徴があります。またイロハカエデは葉の形が「カエルの手」に似ており、この裂片の数を子供がイロハニホと数える遊びからそのような名前になったとされています。
カナダの国旗にはカエデが描かれている
また、カエデで思い浮かべるのはカナダの国旗です。カナダでは国を代表する木としてメープル(サトウカエデ)があります。ただ現在のような国旗になったのは1965年でまだ歴史は浅いといえます。それにはそもそもカナダがフランスやイギリスの植民地だった歴史があるためいろいろな変遷があったということです。かえでの葉の形がイロハカエデとは違っていますね。イロハカエデと違って切れ込みが大きくはないです。
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